LinuC(リナック)は一言で言えば、Linux技術者であることを認定する資格です。
同資格の企画開発運営元であるLPI-Japanの公式サイトによれば、今のLinux技術者に求められるスキルは「クラウド」「オープンソースのリテラシー」「システムアーキテクチャの知見」であるとして、LinuCはこれらを含む全てのIT技術者に求められる技術力を証明することができる認定資格であると説明しています。
正式名称は「Linux Professional Certification」であり、Linuxと認定を意味するCertificationのCを組み合わせた略称が「LinuC」ということのようです。
目次
LinuCの成り立ち
LinuCは、日本市場に最適化したLinux技術者認定資格としてLPI-Japanが独自に企画開発したもので2018年3月から正式に提供が開始されました。
2018年3月の提供から、しばらくの間はLPICと試験範囲が共通でしたが、2020年4月にリリースされた新バージョン 「Version 10.0」から出題範囲が改訂されました。
LinuC Version 10.0の特長
「Version 10.0」の主な特徴は以下の3点。
1.現場で求められている技術要素に対応
昨今現場で求められているクラウドを支える仮想化技術領域、オープンソースの文化への理解、システムアーキテクチャの要素の導入などが追加要素となっています。
2.受験対象層をすべてのIT技術者に拡大
今のIT技術者に必要な基本技術要素はLinuxを通して学べるため、対象をインフラ技術者だけでなく、クラウドシステムやアプリケーション開発に携わるIT技術者にも拡大されています。
3.全面的に見直した出題範囲
最新技術への入れ替えや出題構成を見直し、より今の現場に即した出題範囲に改訂。出題範囲の記述も詳細化し、出題範囲項目毎に使用するコマンドやファイルも明確にされました。さらに説明文も平易な記述となったようです。
LPI-Japanは、現場で本当に必要とされるエンジニアの育成を可能とするオープンテクノロジーのキャリアマップを策定しており、LinuCレベル1とレベル2の改定はその基礎部分となります。さらに、LinuCレベル3も順次改定するとしています。
ちなみに、LPI-Japanは「LinuCレベル1 / レベル2 Version 10.0」の認定を取得できるIT技術者であれば、どのような分野のIT技術者にもつながる技術を持っていることを証明できるとしています。
LinuCのレベル
LinuCには3段階のレベルがあり、ステップアップしていく認定構成になっています。上位レベルに認定されるためには、下位レベルの認定が必要になります。
レベル毎の試験範囲については別ページで紹介します。
レベル1(Version 10.0)
仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える技術者として認定されます。
該当試験:101試験、102試験
※LinuCレベル1に認定されるためには101試験と102試験の両方に合格する必要があります。
レベル2(Version 10.0)
仮想環境を含むLinuxのシステム設計、ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、保守、問題解決ができるエンジニアとして設定されます。
該当試験:201試験、202試験
※LinuCレベル2に認定されるためには、「有意なLinuC レベル1」を保有し、かつ、201試験と202試験の両方に合格する必要があります。
レベル3
Mixed Environment(混在環境運用)
Linux、Windows、Unixが混在するシステムの設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることを証明できます。
該当試験:300試験
Security(セキュリティ)
セキュリティレベルの高いコンピュータシステムの設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることを証明できます。
該当試験:303試験
Virtualization & High Availability(クラウド)
クラウドコンピューティングシステム(クラウド)の設計、構築、運用・保守ができるエキスパートエンジニアであることを証明できます。
該当試験:304試験
※レベル3の試験は専門試験のため、それぞれ別々の認定になります。「有意なLinuC レベル2」を保有し、かつ、300試験、303試験、304試験のいずれか一つの試験に合格すればLinuCレベル3のいずれか一つの認定を取得できます。
試験別の有効期限
LinuCでは、レベル1やレベル2のように、2試験の合格が必要な認定の場合、両方の試験を5年以内に合格する必要があります。
認定されるために2試験の合格が必要な場合(レベル1やレベル2)、両方の試験を5年以内に合格する必要があります。例えば、101試験のみに合格し、合格日から起算して5年間のうちに102試験を合格しない場合、101試験の合格は無効となります。
また、LinuCには再認定ポリシーとして有意性の期限があり、その期間は5年間です。ACTIVEな認定ステイタス(有意性)を維持するためには認定日から5年以内に再認定を受ける必要があります。または、保有する認定レベルより上位の認定を5年以内に取得する必要があります。