LinuCがLinux FoundationのKubernetes認定と連携〜LPI-Japanが認定試験と学習教材の販売を開始

Linux技術者認定「LinuC」などを実施するLPI-Japanは、Linux Foundationの初の認定試験に関するパートナーであるAuthorized Certification Partnerとして、認定を通じたクラウドネイティブ技術者の育成を共に推進するとして、Kubernetes技術者認定試験であるCKA試験、Kubernetesアプリケーション開発者認定試験であるCKAD試験、および学習教材の日本における販売を行い、日本での技術者拡大と学習環境の整備を行うと発表しました。

The Linux Foundationは、Linux創始者のLinus Torvaldsが所属する機関で、Linuxカーネルの開発活動を保護・促進できる中立な団体として、資金援助、知的資源、インフラ、サービス、イベント、トレーニングなどを通じ、オープンソース コミュニティへの比類ない支援を提供しています。

Kubernetesはクラウドを含めた仮想空間におけるオペレーティングシステムのような機能を果たす技術で、多くのパブリッククラウドがKubernetesのマネージドサービスを提供し、ベンダーのサービスと連携した使いやすい機能を提供しており、Kubernetesは業界のグローバルデファクトスタンダードになっています。

CKA試験とCKAD試験は、Kubernetesの管理・運用やKubernetes用のアプリケーションを設計・構築することができる能力を証明するための認定試験となります。

一方、LinuCレベル1/レベル2 のバージョン10.0は、Linuxシステムや仮想化・コンテナ技術をはじめとした、クラウドネイティブ技術の学習に必要な基本知識を多く含み、事前に取得しておくことでクラウドネイティブ技術の仕組みを効率よく学ぶことができる認定です。

LPI-Japanは、IT技術者の本質的技術力を育むための指針として「オープンテクノロジーのキャリアマップ」を作成していますが、LinuCレベル1/レベル2 のバージョン10.0、OPCEL認定、HTML5プロフェッショナル認定に加え、CKA/CKADの認定を取得することにより、オープンテクノロジーの活用が必須となったクラウド環境において、価値の高いクラウドネイティブ技術者となることが可能としています。

Linux Foundationのエグゼクティブ ディレクター Jim Zemlin氏は、本件に関して

質の高いオープンソース認定試験を日本の市場で長年提供し続けてきた実績を持つLPI-Japanと提携することを大変嬉しく思います。このパートナーシップにより、日本のオープンソースコミュニティがさらに発展することを願っています。

とコメントしています。

CKA試験、CKAD試験の概要

Kubernetes管理者認定(CKA)とは

CKAの認定を保有することは、基本的なインストールを実行できるだけでなく、本番環境レベルのKubernetesクラスタを構成および管理する機能が扱えることの証明となります。

具体的には、Kubernetesのネットワーキング、ストレージ、セキュリティ、メンテナンス、ロギングとモニタリング、アプリケーションのライフサイクル、トラブルシューティング、APIオブジェクトプリミティブ、エンドユーザーの基本的なユースケースを確立する機能などの主要な概念を理解していることの証明です。

CKAの出題範囲

  • クラスタのアーキテクチャ、インストール、構成(25%)
  • サービスとネットワーク(20%)
  • トラブルシューティング(30%)
  • ワークロードとスケジューリング(15%)
  • ストレージ(10%)

想定する前提知識

  • Linuxシステムと基本的なアーキテクチャへの理解(LinuCレベル2Version10.0相当)

Kubernetesアプリケーション開発者認定(CKAD)とは

CKADの認定を保有することは、Kubernetes用のクラウドネイティブ アプリケーションを設計、構築、公開できる技術力があることの証明となります。

具体的には、アプリケーションリソースを定義し、コアプリミティブを使用して、Kubernetesのスケーラブルなアプリケーションやツールを構築、監視、トラブルシューティングなどが行える証明です。

CKADの出題範囲

  • コア コンセプト(13%)
  • 構成(18%)
  • マルチコンテナPod(10%)
  • 可観測性(18%)
  • Podのデザイン(20%)
  • サービスとネットワーキング(13%)
  • ステートの持続性(8%)

想定する前提知識

  • Linuxの基本的な知識とコマンドラインのスキル(LinuCレベル1 Version10.0相当)
  • DockerやrktなどのOCI準拠のコンテナランタイム
  • クラウドネイティブアプリケーションの概念とアーキテクチャ
  • Python、Node.js、Go、Javaなどのプログラミング言語

受験概要

受験形式オンライン
試験監督日本語を理解する監督官が監督
受験料36,300円(税込)
再受験無料の再受験(1回/不合格の場合のみ)
試験時間2時間
認定証PDFとデジタルバッジ
認定有効期限3年間
ソフトウエアバージョンKubernetes V1.19
出題形式コマンドラインで問題に回答するパフォーマンスベース
受験結果受験後36時間以内にメールで通知
本人確認1点のみで認められるもの:パスポート
2点の組み合わせとなるもの:運転免許証(日本国政府発行)+ 健康保険証

申込方法や教材の概要は以下参照のこと。

【CKA試験、CKAD試験の概要/受験申込方法】https://lpi.or.jp/k8s/exam/
・受験チケット(クーポンコード)購入ページ:https://k8s.stores.jp/
・受験可能な言語: 日本語、英語

【CKA試験、CKAD試験対応e-Learning教材の概要】https://lpi.or.jp/k8s/training/
・教材(クーポンコード)購入ページ:https://k8s.stores.jp/
・学習可能な言語: 日本語(「Kubernetes基礎」のみ)、英語