Linux技術者認定「LinuC」などを実施する特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(以下:LPI-Japan)が、ITプロジェクトを成功に導く上級エンジニアを認定する『LinuCシステムアーキテクト認定試験』(以下、LinuC-SA)のリリースについて発表しました。
本認定試験は2023年10月12日より試験予約を開始しており、2023年11月6日より受験可能となります。LinuC-SAは、他のLinuC人手試験同様テストセンターとオンラインでの受験が可能です。
目次
LinuCシステムアーキテクト認定試験の開発背景と特長
現代のIT環境におけるITプロジェクトはオンプレミス/クラウド、物理/仮想化を含む多様な技術知識を理解した上でシステムのライフサイクル全体を俯瞰して非機能要件を満たしたシステムアーキテクチャを設計、構築、運用する必要があります。
LPI-Japanでは、このようなITプロジェクトを成功に導く確かな技術力を持った上級エンジニアへのニーズの高まりを受け、具備すべき技術スキルを体系化し可視化する認定として、IT業界の現場で活躍する約40名の技術者の協力を得て試験を開発。
LinuC-SAは、上級エンジニアにとって必要なスキルの指針を提供し、最適なシステムアーキテクチャを設計・構築するための技術スキルを認定。従来のレガシーなシステム技術だけでなく、クラウド関連技術などを駆使した俊敏性のあるシステム技術(CI/CDなど)まで含んでおり、多岐にわたる専門的な技術を網羅した今までにない高度な技術者認定となっているとか。
LinuC-SAは、IT技術者が目指すべき一つの方向性であり、認定者はさまざまなプロジェクトでより重要な役割を担う機会を通して更にキャリアを発展させ、高い処遇につなげていくことができるとしています。
また、LinuC-SA認定者が多様なプロジェクトを成功に導く技術リーダーとしての役割を果たし、失敗プロジェクトの発生防止、変化に強いシステムや最新技術を取り入れたサービスの実現などの価値を企業に提供することにより、企業の競争力強化も期待できるとしてます。
認定するスキル
LinuC-SAは、ITスキル標準(ITSS)レベル4のスキルレベルに相当し、オンプレ/クラウド、物理/仮想化を含むLinuxの大規模システムのライフサイクル全体を俯瞰し、柔軟かつ拡張可能なアーキテクチャの設計・構築ができる上級エンジニアを認定します。
具体的には、下記の要素技術のスキルを持つ「プレイングシステムアーキテクト」としての能力を認定します。
- 分散システムの処理構造について、典型的なパターンの特長を理解し使い分けられる。
- プラットフォーム/ミドルウェア/ネットワーク/ストレージについて、Linux/OSSによる具体的な構成を決定し構築・設定でき、クラウドサービスの機能を用いたりリソースを動的に確保するなどの構成も必要に応じて選択できる。
- 非機能要件のそれぞれを実現するための要素技術を理解し、 Linux/OSSにより実践できる。また、クラウドネイティブな設計アプローチや開発手法を理解し、システムに採り入れられる。
- 安定稼働と継続的開発を見据えた監視やテスト体制を設計し、また運用中のトラブル対応を主導できる。
職種としては
- ロー/ミドルレベルのインフラエンジニアで (スペシャリティではなく)、アーキテクトを目指す人
- ミドルレベルのアプリケーションエンジニアで、アーキテクトを目指す人
へのおススメとなっています。
LinuCシステムアーキテクトの概要
認定名 | 和名:LinuCシステムアーキテクト(省略形:LinuC-SA) 英名:LinuC System Architect(省略形:LinuC-SA) |
試験数と試験名 | 2試験 和名:LinuCシステムアーキテクト SA01試験 LinuCシステムアーキテクト SA02試験 英名:LinuC System Architect Exam SA01 LinuC System Architect Exam SA02 |
認定の条件 | 「SA01試験とSA02試験」の両方に合格し有意なLinuCレベル2を保有していること |
受験費用 | 日本国内: 27,500円(税込、1試験あたり) 日本国外: $ 250.00 (税別、1試験あたり) |
言語 | 日本語 ※)2024年に英語版をリリース予定 |
受験場所:試験方式:試験予約: | 日本を含む全世界(一部地域を除く) テストセンター受験 または オンライン受験 https://www.pearsonvue.co.jp/Clients/LinuC.aspx |
問題数:試験時間: | 約40問/1試験あたり 試験(85分) + アンケート(5分) |
再受験ポリシー | 同一科目を再受験する場合、受験日翌日から起算して7日目以降より再受験可能 |
認定の有意性 | 5年間(認定の事実は消えません) |
参考教材 | インフラデザインパターン 安定稼動に導く127の設計方式(株式会社技術評論社) インフラ設計のセオリー 要件定義から運用・保守まで全展開(リックテレコム) 2022年度版OSS鳥瞰図(日本OSS推進フォーラム) CNCF Cloud Native Interactive Landscape(Cloud Native Computing Foundation) ソフトウェアアーキテクチャの基礎―エンジニアリングに基づく体系的アプローチ(オライリー・ジャパン) 入門 モダンLinux―オンプレミスからクラウドまで、幅広い知識を会得する(オライリー・ジャパン) ※2023年10月現在、いずれも認定教材ではありません。 |
今後の展望
LPI-Japanは、年間1,000人の認定者を輩出するという目標に向けて、以下の取り組みを行います。
- 学習支援プログラムの拡充:受験者が効果的に学習できるプログラムを提供。
- 業界インダストリーとの連携:クラウド・DX分野の企業/団体と連携し、認定者の求人と採用を促進。
リリースキャンペーン
LinuC-SAリリースを記念して、2024月3月31日(日)まで対象試験を「半額」で受験できるキャンペーンが実施中です。