Linux初心者のための入門書がうたい文句で、2016年1月に刊行された「イラストでそこそこわかるLPIC1年生」を加筆・修正したもの。著者は「ディストリビューションマニア」と呼ばれている河野寿さん。
目次
「イラストでそこそこわかるLinux」の概要
内容の抜粋
これまでLinuxと縁がなかった方向けにはじめの一歩から解説
図解イラストを使ってわかりやすく説明しているのでくじけることなく学習することができます。
本書用に用意したCentOSをVirtualBox上で動かせば実際にLinuxを動かしながら読み進めることができます。
【こんな方達におススメすすめ】
・WindowsやmacOSしか使ったことのない、Linuxど素人さん
・インフラエンジニアを目指したいけど、何から学べばいいのかわからない方
・ITエンジニアの新人研修用テキストとしても最適
「イラストでそこそこわかるLPIC1年生」からの主な変更点
・学習用環境がCentOS 6から最新安定バージョンのCentOS 7に
・第11章でネットワークについての内容を拡充
・第12章を新設し、クラウドの基本的な知識を解説
著者
河野寿
小学生のときは、秋葉原で電子キットなどを買い求め、ラジオやブザーなどをつくる、普通の少年だった。その後、理系の学校でコンピューターとは良好な関係を保ちつついろいろなものに手を出し、今に至る。(巻末プロフィールより転載)
目次
- 第1章 学習をはじめる前に
- 第2章 Linuxにさわってみよう
- 第3章 ファイルとディレクトリ操作のきほん
- 第4章 はじめてのエディタ
- 第5章 ユーザーの役割とグループのきほん
- 第6章 シェルの便利な機能を使おう
- 第7章 使いこなすと便利なワザ
- 第8章 ソフトウェアとパッケージのきほん
- 第9章 ファイルシステムのきほん
- 第10章 プロセスとユニット、ジョブのきほん
- 第11章 ネットワークのきほん
- 第12章 レンタルサーバー、仮想サーバー、クラウドのきほん
書籍情報
- 発売日 : 2020/2/28
- 仕様:A5・ 336ページ
- ISBN-10 : 4798161780
- ISBN-13 : 978-4798161785
- 出版社 : 翔泳社
- 価格:2,500円+税
- 電子版:あり
リナスクレビュー


タイトル通りにイラストが豊富で、説明もわかりやすく、初学者向けに最適な内容になっています。特に試験対策本として打ち出しはしていませんが、LinuCのレベル1で必須となる知識も十分カバーしています。
LPI-Japan公認の2冊は、カバーする範囲があまりにも多く、一つのテーマに多くのページ数をさけないため、初学者が置いてけぼりを食らうようなところがでてきますが、本書を先に読んでおけば、そうしたことも減ると思われます。
イラスト以外でも、2色刷りを活かしたコマンド表記がとても見やすく、理解を深めるのに一役買っています。一例ですが、lsコマンドの解説だけでも10ページも割いていました。重要な基本コマンドを丁寧に解説してくれているのが嬉しいです。
まったくのLinux初学者であれば、まずは本書でLinuxの基本を押さえることをオススメします。本書の内容が理解できていれば、LinuC教材の内容の理解が深まるのは間違いないです。元々がLPIC向けなので、Linux EssentialsやLPICレベル1用の教材としても使えますよ。
- イラスト豊富で読みやすくLinux初学者でも理解しやすい
- LPI-Japan認定教材の理解を深める前提知識として最適
- 演習用のCentOS7が使いやすい
- 11章はビットや2進法についてなど若干説明不足なので初学者はとっつきにくい内容かも…
- Debian(Ubuntu)特有の操作やパッケージ管理については触れられていません