Linux技術者認定資格は「いる資格」なのか「いらない資格」なのか

日経コンピュータ2020.11.26号の特集「いる資格、いらない資格 DX推進に向けた選択」の内容が興味深かったので記録しておきます。

DXへの機運高まるなか、IT関連資格のニーズにどのような変化が起こっているのか、日経クロステックの読者アンケート調査から「いる資格」「いらない資格」の動向を探る特集です。

IT関連資格の取得動向はエンジニアに求められるスキルを映し出すということで、49種類の資格保有状況、役立ち度、今後の取得意向を調査しています。

Linux技術者認定試験であるLinuC/LPICはいる資格なのか、いらない資格なのか、結果を見ていきましょう。

回答者の所有資格TOP5

350名弱の回答者が保有する資格のトップ5です。

  1. 基本情報技術者
  2. 応用情報技術者
  3. 情報処理安全支援士
  4. ネットワークスペシャリスト
  5. ITIL系

IPAの国家資格が上位を占めていますね。中でも基本情報と応用情報は飛び抜けて所有者が多いです。

ちなみに、LinuC/LPICは16位(25名)でした。

保有価値が高い、保有効果が大きい資格TOP5

「実際に役に立った」、「昇進・昇格に役立った」、「転職に役立った」、「昇給や報奨金を得た」の4項目をそれぞれ100点で採点し、その合計点(最大400点)で順位を決めています。

  1. PMP(Project Management Professional)
  2. Cisco Rooting&Swiching関連(CCNAなど)
  3. 技術士
  4. プロジェクトマネージャ
  5. ITストラテジスト、システムアーキテクチャ(同率で2つランクイン)

トップのPMPは170点オーバー、2-5位で130-150点台です。

ちなみに、LinuC/LPICは18位で93点。「昇進昇格に役立った」が0点なのが目立ってました。

取得したい資格TOP5

  1. AWS認定資格
  2. ITストラテジスト
  3. 情報処理安全支援士
  4. プロジェクトマネージャ
  5. ネットワークスペシャリスト

1位のAWSは時代を如実に表していますね。そして国家資格が強い。

ちなみに、LinuC/LPICはランク外でした。

その他、気になるトピック

調査では新型コロナの影響で資格試験の中止や延期で受験機会が減っていることなどが資格取得意欲減衰の原因の1つではないかと分析してしました。

ITベンダー系認定資格では、AmazonやGoogleのクラウド系資格による、オラクルやマイクロソフトやシスコといった老舗ベンダー資格への追い上げが顕著とか。

資格取得意欲減衰傾向はあるものの、DX推進を背景にセキュリティ系資格の重要性が増えており、情報処理安全支援士や情報セキュリティマネジメントの取得意欲が高いようです。

ちなみに、LinuC/LPICレベル3 303 Securityは上位3つからかなり差がつけられての4位でした。

アンケートの生の声で多かったのが、自己研鑽を通じて知識の幅を広げようというエンジニアの前向きな姿勢であったことに感動を覚えました。

エスパくん

個人的には、どのような資格でも無いよりはあったほうが良いと思っています。資格取得は学びの結果であり、スキルの証明でもあります。どんな資格でも無駄にはならないと思っています。タイトルに惑わされないようにしたいものですね。

余談

日経コンピュータ2020.11.26号のメインの特集は「Go To コンテナ」で、コンテナ技術を本番環境に積極的に導入している企業の動向を紹介していました。中でもKubernetesへの注目度が高いです。

LPI-JapanがLinux Foundationと提携してKubernetes認定試験と学習教材の販売を開始したことからもその重要度が見て取れますね。今後人気が出そうな資格ではあります。

ちなみに、日経コンピュータの表4広告はLPI-JapanのLinuCでした。右下は2020.12.10号の表4です。