技術評論社の月刊誌『Software Design』の過去記事の中から、Linuxの特集記事を再編集したSoftware Designの別冊。新人インフラエンジニア向けで10年先も使えるLinuxの基礎が学べる内容。
目次
「Linuxブートキャンプ サーバ操作/OSのしくみ/UNIXネットワーク──10年先も使える基礎を身につける!」の概要
内容の抜粋
『Software Design』の人気記事の中から、Linuxの特集記事を再編集した書籍。新たにインフラエンジニアの道を歩む方、研修で学んだ知識を復習したいという方にお勧めの1冊。
第1章、第3章は「先輩との会話形式」で解説。研修を受けている感覚でステップ・バイ・ステップで学ぶことができます。Linuxの環境を実際に立ち上げ、コマンドラインを触って操作を手になじませつつ、プロセスやパーミッションなどの独自概念、UNIXネットワーク機能などへの理解を深めていきます。
「エピソードから覚えるUnixコマンド」では、実務で想定されるさまざまな課題・難題を切り抜けるための、便利なコマンドをまとめました。前半で得たLinuxの知識をどのように実践すべきか、具体的なイメージを持つことができます。新しいコマンドの習得はもちろん、普段使いのコマンドにも思わぬ用途があるかもしれません。
著者
宮原徹,佐野裕,鶴長鎮一,武内覚,くつなりょうすけ,青田直大,中島雅弘,五十嵐綾,黒崎優太,中西建登,髙橋基信,尾崎勝義,平林有理,久保田秀,山田泰宏,結城洋志,小林巧,馬場俊彰,阿部貴晶,平初,kanata,高村昇平,伊藤俊一
目次
- 第1章 目的から考える!実作業から学ぶ Linux入門 OS操作編
1―1 ルーキー君、Webサーバを動かしてみる!
1―2 ディレクトリ構造と役割がわかりますか?
1―3 ルートとユーザの違いがわかりますか?
1―4 設定ファイルが書けますか?
1―5 コマンド、スクリプトが使えますか? - 第2章 新人教育に役立つLinux総復習
2―1 psコマンド、timeコマンドの出力がわかる プロセス管理
2―2 sudoを正しく使うための権限管理入門 パーミッション
2―3 lsの出力から読み解くファイル管理のしくみ ディレクトリ構造とファイルシステム
2―4 ご存じですか? yum、dnf、aptの使い分け パッケージ管理 - 第3章 先輩が教えるマル得ノウハウ Linux入門 UNIXネットワーク編
3―1 コンピュータはどうやって通信するのか?
3―2 ネットワークコマンドってなんですか? 知っておきたい7つのコマンド
3―3 僕もルーティングできたほうがいいですか? 概念を押さえて、実環境での設定へ
3―4 LinuxがWindowsサーバに変身? ファイルサーバを立ててみよう!
3―5 DNSって何ですか? 自分のサーバでDNSを設定してみよう! - 第4章 エピソードで覚えるUnixコマンド[第1弾]
4―1 若手シェル芸人が手放せない grep、sed
4―2 コマンド操作解説漫画『シス管系女子』著者お勧め curl、jq
4―3 学生時代からサーバ管理をしていた若手が先人から学んだ tee、at、:
4―4 サーバ管理のスペシャリストお勧め ssh、rsync
4―5 初心者教育のスペシャリストが教えたい lsof、netstat、nmap
4-6 Red Hat のエンジニアがバックアップ時にお勧めする fsfreeze、findmnt - 第5章 エピソードで覚えるUnixコマンド[第2弾]
5―1 UNIXで仕事をするための下準備 man、env、ssh-keygen
5―2 シェル芸人が厳選するおもしろ・お役立ちコマンド date、tput
5―3 エンジニアの実務を助けるテキスト処理 wc、grep、pandoc
5―4 立ちはだかる壁を越える find、top、dd
5―5 サーバ管理・ログ管理の手間を減らせる xargs、paste - Appendix 正規表現はじめの一歩
書籍情報
- 発売日: 2022/3/4
- 仕様: B5判・208ページ
- ISBN-10: 4297126834
- ISBN-13: 978-4297126834
- 出版社: 技術評論社
- 価格:2,200円+税
- 電子版:あり
リナスクレビュー
エスパくん
- ちなみに、1章が2017/4号、2章が2021/4号、3章が2017/5号、4章が2018/7号、5章が2020/9号、Appendixが2021/6号の特集記事の再掲載です。
- 1章と3章が会話形式のレイアウトなのですが、バックグラウンドがグレーの縦線が2本、しかも濃淡で連続しているので本文のテキストが読みにくいと感じました。せめて単色にして欲しかったところですが、いずれも5年前の記事のリユースなので仕方がないですね。
- 1章でLinux学習環境のインストール方法が解説されていますが、仮想環境の定番VirtualBoxにUbuntu 16.04LTSを導入しています。サポート期間も2026年4月まで延長されているし、LTSの用語解説もしているので、特に問題ないと思いますが、気になる方は新しいLTS版を導入しても記事の内容的には問題ないと思います。
- 2章「新人教育に役立つLinux総復習」ではプロセス管理、パーミッション、ディレクトリ構造、ファイルシステム、パッケージ管理を深掘りしており、新人ならずとも役に立つ良記事です。
- 3章はネットワーク編ということでCCNA取得を目指す人にも役に立つと思います。
- 4章はその道のプロたちが現場で役立つコマンドの便利な使い方を実践的に紹介しています。紹介さえているコマンドは、grep、sed、curl、jq、tee、at、:、ssh、rsync、lsof、netstat、nmap、fsfreeze、findmnt、man、env、ssh-keygen、date、tput、wc、grep、pandoc、find、top、dd、xargs、pasteです。
- サブタイトルにもある「10年先も使えるLinuxの基礎を身につける」「新人エンジニア必携」は伊達ではありませんが、全くのLinux初学者にとっては少々敷居が高い内容ですので、当サイトおすすめの「イラストでそこそこわかるLinux」や「入門者のLinux」といったLinuxの基礎の基礎を押さえてからの方が読み進めやすいと思います。
ココが素晴らしい!
- 10年先でも使えるLinuxの基礎が学べる
- その道のプロが実践的なコマンドの便利な使い方をわかりやすく紹介
- 教える側にも役立つ深掘り
ココが惜しい!
- 全くのLinux初学者にとっては敷居が高い内容
- 過去記事のリユースなので、ページデザインに一貫性がなく、一部読みにくいデザインがある。
この本のリナスク的評価
読みやすさ
(3)
内容の新しさ
(3)
初学者へのオススメ度
(3)
学習教材の内容
(3)
LinuC教材としての総合評価
(3)
エスパくん
ちなみに、私の手元にあるSoftware Designで、2018/7号の「Vim絶対主義」、2019/8号の「クラウドネイティブのためのLinux入門」なども良い記事でしたので併せて掲載してっ欲しかったところです。