Webブラウザ経由でLinuxを手軽に操作できるオンラインサービス「Katacoda」

オンライン学習サービスサイト「Katacoda」を利用すれば、CentOSやUbuntuなどの著名なLinuxディストリビューションやDockerなどのコンテナ技術の実際の動作をWebブラウザだけで、しかも無料で試すことができます。

参考 KatacodaO’Reilly Media

KatacodaはWebブラウザが動作する環境さえあれば利用できるので、Linuxの勉強にももってこいです。

Katacodaとは

コンピュータ関連書籍の出版でお馴染み米オライリー社が運営するWebブラウザベースのオンライン学習サービス。

「Linuxとオペレーティングシステム」や「機械学習」といったテーマ毎に様々なシナリオが用意されており、トータルで300を超えるシナリオが無料で提供されています。

利用にはユーザー登録が必要ですが、GitHubやGoogleなどの外部認証が利用できます。

Katacodaのシステムは、2020年11月現在、英語で提供されており、日本語での提供がありません。

エスパくん

英語に不安がある人はWebブラウザで使える自動翻訳などを利用しましょう。その場合、サービスやシナリオの概要の確認にだけ利用し、ターミナルを操作する画面では英語に戻して利用することをお勧めします。全編翻訳モードでは一部のコマンドなどが日本語翻訳されてしまう可能性があります。

なお、Katacodaでは用意されているシナリオを利用するだけでなく、独自に作成することもできるようですが、その機能については今回紹介は割愛します。

Linuxの学習に使えるシナリオ

「Linuxとオペレーティングシステム」というテーマで7つのシナリオが用意されており、Ubuntu、CentOSなどをWebブラウザ上のターミナルから操作できます。

Linuxに関しては、大半がプレイグラウンドいわゆる遊び場のシナリオだけが用意されています。このプレイグラウンドは、ご自身で自由にOSの動作を試してくださいというお試しモードです。

Katacodaで使えるLinux環境(2020/11現在)

  • Ubuntu:16.04, 18.04, 19.04, 20.04
  • CentOS:7
  • Fedora: 30

さらに、LinuCの試験範囲になっている重要なコンテナ技術関連では、Dcokerだけで30以上のシナリオが用意されており、こちらは実際にシナリオに沿ってコマンドを入力し、実際のDockerの動作を体験できるようになっています。

実際にKatacodaを使ってみよう

CentOSのプレイグラウンドで実際の操作を試してみましょう。

Learn CentOSコースでStart Courceを選択後、PlaygroundのExplore Playgroundをクリック。

START SCENARIOボタンをクリックすると、しばらくしてBashターミナルが表示されます。左メニューに「Hello World」が表示されていればOK。

ターミナルでは[root@xxxxxxxxxx ~]# というプロンプトが確認できると思います。CentOSにrootでログインできているということです。

root@の後ろにある文字列によりコンテナで動作していることがわかります。この文字列はコンテナ毎に異なっており、完全に独立したサンドボックスであることを示唆しています。

rootでログインしていますので、OSのアップデートやアプリケーションのインストール、新規ユーザーの追加など、Linuxの基本的な操作が可能です。

なお、Katacodaの学習環境は、ターミナルから抜ける行為や、ブラウザを閉じることでリセットされてしまいます。

もう一度同じシナリオを試したい場合は、改めてシナリオを実行します。当然のことながら、新規に実行するので新しいまっさらの環境になります。rootの後ろの文字列も変わります。

スマホでKatacodaは使える?

iPhoneのChromeからKatacodaを使ってみましたが、ログインも実行も問題無いのですが、横向きでしかまともに使えませんし、ソフトウェアキーボードも画面下半分を占めてしまうのでターミナル画面が見にくくなって使いにくいことこの上ないです。画面をスリープさせてしまうとエラーが起こる(下の画像)ので正直なところ使い物になりません。

どんな時にKatacodaを使う

上で解説したとおり、Katacodaはあくまで一時的な環境です。

本格的なサーバー環境の構築などには向きませんが、コマンドの確認やファイル操作、シェルスクリプトやviエディタの実行など、Linuxの基本操作の学習には十分使えます。

また、シナリオが多数用意されているのでDockerの学習にも大いに役立つと思います。

Katacodaのようなサービスを利用すれば、一時的に利用するパソコンや、仮想環境が実行できないようなパソコンからでもログインさえできれば利用できるのでいつでもどこでも手軽にLinuxマシンが使えます。

また、Katacodaのようなサービスを通じてクラウドやコンテナなどのLinux関連技術を理解することも大事だと思います。

是非、便利にKatacodaを使いこなしてみてください。

参考 KatacodaO’Reilly Media

余談:KatacodaのCentOSに最新のDockerを導入する

KatacodaのCentOSにはDockerが最初から導入済みなのですがバージョンが1.13.1です。バージョンを最新にしたい場合は、別コラムで紹介した方法が有効ですので試したい方はどうぞ。

CentOS7に最新版のDockerをインストールする