日経Linuxは、主にLinuxやオープンソースに関する情報を掲載している日経BP社発行の隔月刊雑誌。
Wikipediaによれば、「Linuxとオープンソース・ソフト活用のための実用情報誌」がキャッチフレーズ。
1999年7月に「日経Linux8月号(創刊前号)」発売後、1999年9月に月刊化されましたが、2017年8月から隔月刊になっています。2007年からは日本で唯一のLinux専門誌となっているそうです。
A4サイズの本誌にDVD-ROMや本誌と同サイズの冊子が付録で付くスタイルが定番。冊子は独自のテーマに沿った内容で本誌と厚さは変わらず100ページを超えるものが大半です。
内容的には、ディストリビューションではDebian系、とりわけUbuntuやRaspberry Piに関するトピックが多い印象があります。教材として紹介済みの「シス管系女子」が読めるのも大きな特徴です。
教材としての日経Linux
長年LPI-Japanが表4(いわゆる裏表紙)の枠で広告を出稿していることからも、LinuCをアピールしたい(=取得して欲しい)人たちが購読者層なのでしょう。手持ちのものでは2017年11月号から最新号まで、LinuCやOSS-DBの広告が掲載されているのが確認できました。表4は半ばLPI-Japanの独占枠のようになっています。
LPI-Japanでも、日本電気株式会社の事例として、2021年1月号の広告の内容をホームページに掲載していました。
ちなみに、リナスク主宰者は2018年から1年間定期購読しましたが、現在は不定期購読にしています。その存在を知った当時には日本で唯一のLinux専門誌であっただけに、Linuxの学習に役立つと思って定期購入を始めたわけですが、思っていたよりも内容に偏りがあって、資格取得という観点で見た時に、教材としては微妙と感じて定期購読はやめました。
トレンドを追いかける雑誌である以上、毎号新たなトピックが必要になります。アップデートが頻繁に行われトピックに事欠かない人気のディストリビューションの記事が中心になるのは当然でしょう。
一方で、資格試験の学習環境として定番になっているRedHat系のCentOSなどに関してはそこまで掘り下げられることはありません。サーバー構築系など、冊子のテーマによってはRedHat系も取り上げられるのですが、それでもDebian系のボリュームには敵わない印象。
資格に役立つコンテンツとしては、2019年1月号からLinuC/LPICに役立つとして、「基礎からわかるLinuxコマンド」解説が連載されています。2021年1月号で連載13回目ですが、隔月刊なので年間6冊、つまり1年で6回の連載しか読めません。資格を取りたい人が基礎的なコマンドの学習にそこまで悠長にしていられるでしょうか。
冊子も毎回テーマこそ変わりますが、内容的には過去に本誌に掲載した複数の特集を再構成しているだけだったりすることが多いので、購入の際は内容をよく見極めた方が良いです。
中には中身が凝縮されたLinuxの基礎解説や学習環境構築に役立つサーバ構築特集、専門書とは異なる平易な解説がありがたいセキュリティやカーネル特集もあったりしますので、そうした冊子が付録につく場合は要チェックです。
DVD-ROMも無償でダウンロードできるディストリビューションの収録が多く、ダウンロードの手間さえ惜しまなければそこまでの利用価値はありません。もちろん、DVDドライブがあればダウンロードの手間をかけずに手軽に導入できるので人によってはメリットになり得ます。
以上のことから、日経LinuxがLinuC受験対策用教材としておすすめできるかは、特集の内容によるというのがリナスク的結論です。特集の内容によるということで、具体的な評価も控えさせていただきます。
日経Linuxの仕様
- 隔月刊(偶数月)8日発売
- 定期購読料金(税込):1年(6冊)10,150円
- 販売価格(税込):1冊 1880円(2021年1月号の場合)
エスパくん