CentOS 8が2021年で終了に〜LinuCへの影響はあるのか

Linuxの著名なRedHat系ディストリビューションで、Linux技術者認定資格「LinuC」などの学習環境としての利用を推奨されている「CentOS」ですが、2020年12月現在、最新バージョンである「CentOS 8」の開発が2021年々末をもって終了となることが明らかになりました。

CentOS Project shifts focus to CentOS Stream – Blog.CentOS.org
https://blog.centos.org/2020/12/future-is-centos-stream/

著名なメディアでも取り上げられているのでリンクしておきます。

CentOS 8の提供は2021年で終了、今後はCentOS Stream開発に注力
https://news.mynavi.jp/article/20201209-1573811/

CentOSが開発方針を変更ーー「CentOS 8」は2021年終了、今後は「CentOS Stream」に注力
https://mag.osdn.jp/20/12/10/091500

「CentOS 8」が2021年末で終了、以後の開発はCentOS Streamに注力する方針が明らかに
https://gigazine.net/news/20201209-centos-project/

マイナビのニュースが簡潔でわかりやすいですね。まとめるとこんな感じでしょうか。

  • Red Hat系ディストリビューション開発では、実験的なものを含む最新の機能はFedoraで実装が進められ、その後に安定版としてRed Hat Enterprise Linux(RHEL・有償)に導入される。
  • CentOS StreamはFedoraとRHELの中間に位置しており、RHELの開発ブランチ(アップストリーム)としての役割を果たしている。RHELの次期バージョンに導入される予定の機能をいち早く使えるが、無印CentOS LinuxのようなRHELの再構築版(ダウンストリーム・商用パッケージを取り除いた・無償)ではない。
  • CentOS 7については、これまで通りRHEL 7のライフサイクルに合わせて公開を続ける。

他にも、ある種の開発版とも呼べるものが、安定版の代替えとして本番に耐えうるのかということも疑問視されています。

【2020/12/12追記】本件に関する続報

CentOS終了にコミュニティからは非難の嵐、CentOSの設立者が新プロジェクトの発足を発表する事態に
https://gigazine.net/news/20201211-centos-red-hat-enterprise-linux/

「CentOS」の開発方針変更–ユーザーの声、レッドハットの見方は
https://japan.zdnet.com/article/35163736/

CentOS 8の開発終了はLinuCに影響するのか

LPI-Japanが発行している標準教科書やLinuCの公式認定本に関して言えば、いまだにCentOS 7の導入を前提とした記述が多いため、しばらくの間は直接的な影響はないと思われます。

個人的にはどのタイミングでCentOS 8に対応させていくのか、興味深く見守っていたのですが、しばらくの間はその必要も無くなったようです。

言っても、CentOS 7も2024年6月30日にアップデートの提供が終了する予定なので、それまでには何らかの対応が行われるのでしょう。

CentOSの今後の動向によっては、学習環境についてもUbuntuのようなDebian系が推奨されるなんてこともあるのかもしれません。

ちなみに、2020年はCentOS 8対応の解説本が結構発行されたのですが、賞味期限が1年になってしまいました。今後、何らかの対応が迫られそうですね。

参考

CentOSの公式サイトに、CentOS LinuxをCentOS Streamにコンバートする方法が掲載されていますので転記しておきます。

root@centos-linux# dnf install centos-release-stream
root@centos-linux# dnf swap centos-{linux,stream}-repos
root@centos-linux# dnf distro-sync
root@centos-stream# cat /etc/centos-release
CentOS Stream release 8

他にも、Zennのまとめがとても参考になります。

参考 CentOS Streamへのシフトでうろたえないための手引きZenn

ちなみに、CentOS Linuxのオリジナルの開発者がフリーのRHELクローンとなるRocky Linuxの開発が宣言されたそうです。刻々と状況が変化しますね。今後も目が離せません。