しくみと技術がキーワードベースでわかる技術評論社の図解即戦力シリーズ。
仮想化の基本、代表的なコンテナ技術Docker、オーケストレーションツールKubernetesのしくみまで、フルカラー図解でポイントを重点的に解説。
目次
「コンテナがこれ1冊でしっかりわかる教科書」の概要
内容の抜粋
現在のシステム開発・運用に欠かすことのできない仮想化技術とコンテナ技術について、その基本をわかりやすく解説。
サーバ仮想化、ネットワーク仮想化について解説するとともに、現在の開発者には必須とも言えるコンテナ技術と、そのデファクトスタンダードであるDockerとKubernetesについて解説。
関連する用語を一通り知ることのできる1冊目の入門書としてふさわしい内容で、仮想化とコンテナ技術の基本やしくみについて知りたい若手エンジニアにおすすめ。
著者
五十嵐貴之
新潟県長岡市(旧越路町)出身。東京情報大学経営情報学部情報学科卒業。IT著書多数執筆。令和元年より、東京情報大学校友会信越ブロック支部長に就任。
薄田達哉
1987年生まれ、北海道出身のプログラマー。両親が2人ともプログラマーであり、自身も12歳から独学でプログラミングを始める。苫小牧工業高等専門学校と長岡技術科学大学で情報工学を学び、2011年6月に株式会社ロレムイプサムを設立。主な事業内容はWebアプリケーションのスクラッチ開発であり、テストやデプロイを省力化するためにコンテナ技術を活用している。
目次
- 第1章 仮想化の基礎知識
- 01 仮想化とは
~物理構成にとらわれない柔軟性と可用性 - 02 仮想化の種別
~サーバー仮想化とネットワーク仮想化 - 03 仮想化のメリットとデメリット
~効率・運用性から見た物理環境との比較 - 04 仮想化とクラウド
~クラウドは仮想化によって支えられている - 05 クラウドのセキュリティ
~安全性は高いがクラウドならではのリスクもある
- 01 仮想化とは
- 第2章 仮想化のしくみと技術
- 06 サーバー仮想化のしくみ
~物理サーバーに複数の仮想サーバーを構築 - 07 ホストOS型仮想化
~ホストOS上で複数のゲストOSが動作 - 08 ハイパーバイザ型仮想化
~ホストOSを必要としないサーバー仮想化 - 09 コンテナ型仮想化
~アプリケーションごとに独立した空間を構築 - 10 クラウドのサーバー仮想化
~主要クラウドのサーバー仮想化サービス - 11 ネットワーク仮想化のしくみ
~物理構成とは異なる論理的なネットワークを構築 - 12 VLAN
~仮想的なLAN環境を構築 - 13 オーバーレイネットワーク
~VLANの弱点を克服するための技術 - 14 VPN
~仮想的な専用線を構築する技術 - 15 SDN
~ソフトウェアによってネットワークを定義 - 16 NFV
~ネットワーク機器の機能をソフトウェアで実現 - 17 SD-WAN
~拠点間の接続を一元管理 - 18 クラウドのネットワーク仮想化
~主要クラウドのネットワーク仮想化サービス
- 06 サーバー仮想化のしくみ
- 第3章 コンテナ技術の基礎知識
- 19 コンテナ技術の歴史
~意外と古いコンテナ技術の起源 - 20 コンテナ技術のメリット
~仮想サーバーを手軽に構築できる - 21 DevOpsとコンテナ技術
~開発と運用のスムーズな連携を手助け - 22 主要なコンテナ技術
~Docker以外のさまざまなコンテナ技術 - 23 マイクロサービス
~コンテナと相性がよい設計手法 - 24 コンテナとサーバーレスの比較
~サービス開発の大きな2つの流れ
- 19 コンテナ技術の歴史
- 第4章 コンテナ型仮想化ソフトウェア「Docker」
- 25 Dockerとは
~コンテナ技術のデファクトスタンダード - 26 Dockerが注目される理由
~Dockerの歴史と発展を振り返る - 27 Dockerコンテナ
~外部から影響を受けない独立した環境 - 28 コンテナイメージ
~コンテナを実行するためのテンプレート - 29 コンテナのライフサイクル
~コンテナの作成から削除まで - 30 Dockerデーモン
~Dockerエンジンを支える最重要要素 - 31 コンテナとプロセス
~プロセスごとにコンテナを分けるメリット - 32 名前空間
~作業空間を分離するためのしくみ - 33 差分管理
~Dockerの高速なデプロイを支えるしくみ - 34 Swarm mode
~クラスタを管理する機能 - 35 主要なDockerコマンド
~必須コマンドのポイントを紹介 - 36 Docker Hub
~コンテナイメージを共有できるサービス
- 25 Dockerとは
- 第5章 コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」
- 37 コンテナオーケストレーション
~コンテナを管理する際に必要な作業とは - 38 Kubernetesとは
~コンテナの管理・運用を自動化するツール - 39 ポッド
~Kubernetesがコンテナを管理する単位 - 40 デプロイメントコントローラ
~オーケストレーションを支える最重要要素 - 41 サービス
~コンテナへアクセスするための窓口 - 42 flannel
~コンテナ間の相互アクセスを支える技術 - 43 負荷分散と死活監視
~システムの可用性を向上させるしくみ - 44 スケーリング
~システムの性能を向上させるしくみ - 45 主要なKubernetesコマンド
~必須コマンドのポイントを紹介 - 46 自動ビルド
~イメージ化からデプロイまでの手順を自動化 - 47 マルチクラウド
~複数クラウド併用時のKubernetes - 48 Kubernetesのアーキテクチャ
~各ノードで動作するコンポーネント
- 37 コンテナオーケストレーション
- 第6章 クラウドのコンテナサービス
- 49 クラウドのコンテナ技術対応状況
~主要クラウドのさまざまなコンテナサービス - 50 Amazon ECS
~AWSのコンテナオーケストレーションサービス - 51 Amazon EKS
~AWSのKubernetesサービス - 52 AWS Fargate
~AWSのサーバーレスなコンテナ実行環境 - 53 GKE
~GCPのKubernetesサービス - 54 Cloud Run
~GCPのサーバーレスなコンテナ実行環境 - 55 AKS
~AzureのKubernetesサービス - 56 ACI
~Azureのサーバーレスなコンテナ実行環境 - 57 Docker Enterprise
~一元管理でマルチクラウドを実現
- 49 クラウドのコンテナ技術対応状況
書籍情報
- 発売日 : 2020/11/20
- 仕様:A5判・208ページ
- ISBN-10 : 4297116901
- ISBN-13 : 978-4297116903
- 出版社: 技術評論社
- 価格:2,180円+税
- 電子版:あり
リナスクレビュー
エスパくん
- LinuCレベル1 Version10.0で出題範囲に新たに加わった仮想マシン・コンテナの概念や、LinuCレベル2 Version10.0で出題範囲に新たに加わった仮想化サーバーとコンテナの理解を深めるのに役立つ書籍。
- 「イラストでわかるDockerとKubernetes」同様、豊富なイラストでコンテナの構造やワークフローをわかりやすく解説しています。
- DockerとKubanetesに関しては、少ないながらもコマンドの実行例も掲載されており、実際の動作検証を行うことで理解を深めることができます。
- ターゲットは若手エンジニアとなっていますが、仮想化とコンテナ技術の最新動向を把握したい幅広い層にアピールできる内容でむしろ予備知識として活用すべき教材です。LPI-Japanが提供しているversion 10.0差分学習教材に目を通す前にこちらを読んだ方が良いかも。
- 「イラストでわかるDockerとKubernetes」よりも文章が平易なので、仮想化やコンテナの概念をざっくりと把握するのにおすすめ。
ココが素晴らしい!
- 豊富なイラストでコンテナの構造やワークフローをわかりやすく解説
- LinuC Version10.0で出題範囲に新たに加わった仮想マシンとコンテナについて理解を深められる
ココが惜しい!
- コマンドの実行例が少ない
- 学習教材が用意されていない
この本のリナスク的評価
読みやすさ
(4.5)
内容の新しさ
(4.5)
初学者へのオススメ度
(4.0)
学習教材の内容
(1.0)
LinuC教材としての総合評価
(4.0)