教材紹介:Linux+コマンド入門 ——シェルとコマンドライン、基本の力

技術評論者のWEB+DB PRESS plusシリーズで、Linuxの基本的なコマンド解説本。2021年4月発行で内容も新しく、これからLinuxを学習したいと思っている初学者に向け、役立つ基本を凝縮。

「Linux+コマンド入門」の概要

内容の抜粋

Linuxの基本&コマンドの作法をまとめた入門書。

巻頭&巻末には,基本コマンドのQuickリファレンスを特別収録。

Linuxシステムの「今の基本」を押さえつつ、コマンドラインの基礎知識&テクニックを平易に解説。Linuxの基本概念をコマンドを通して学べる点が特徴。

コマンドの実用的な使用場面を学べるようにAppendixとしてRaspberry PiやPython,WordPressにおけるコマンドの使用例も盛り込んでいる。

広く初学者の方々に向け、長く役立つ基本を凝縮してお届け。

著者

西村めぐみ

1990年代,生産管理ソフトウェアの開発およびサポート業務/セミナー講師を担当。書籍および雑誌での執筆活動を経て㈱マックス・ヴァルト研究所に入社,マーケティングリサーチの企画および実査を担当。その後,PCおよびMicrosoft Officeのeラーニング教材作成/指導,新人教育にも携わる。おもな著書は『図解でわかるLinuxのすべて』(日本実業出版社),『シェルの基本テクニック』(IDGジャパン),『[新版 zsh&bash対応]macOS×コマンド入門』(技術評論社)など。

目次

  • 第1章 Linuxとコマンド操作の基礎知識 ——まずは実際に試してみよう
    • 1.1 そもそもLinuxとは何だろう ——いろいろなところで,いろいろな名前のLinuxが動いている
    • 1.2 学習用の環境を作ろう ——「仮想マシン」にLinuxをインストール
    • 1.3 Linuxを起動してみよう ——電源を入れてからログインするまで
    • 1.4 コマンドを入力してみよう ——基本的な書き方を把握しよう
    • 1.5 コマンドラインの便利な操作 ——キーコンビネーションを活用しよう
  • 第2章 ファイルとディレクトリ ——どこに何がある? どう探す?
    • 2.1 Linuxのディレクトリツリー ——どこに何があるかを把握しよう
    • 2.2 ディレクトリと「パス」の表し方 ——/ . .. ~を使えるようになろう
    • 2.3 ファイル操作の基本コマンド❶ ——ファイルやディレクトリの作成/削除
    • 2.4 ドットファイル ——普通のファイルなのに「見えない」ファイル
    • 2.5 ファイルの属性とパーミッション ——許可の種類と対象を把握しよう
    • 2.6 ハードリンクとシンボリックリンク ——ファイルを示す2つの名前
    • 2.7 ファイル操作の基本コマンド❷ ——ファイルを調べる/探す/圧縮する
    • 2.8 ファイルの圧縮と伸張 ——複数のファイルを一つにまとめる/圧縮する
  • 第3章 シェル&コマンドライン ——コマンドを自在に実行する
    • 3.1 シェルの役割 ——コマンド入力を受け取っているのは誰?!
    • 3.2 コマンド入力を助ける操作 ——補完/ヒストリ/エイリアス/パス名展開
    • 3.3 パイプとリダイレクト ——標準入力と標準出力を理解して活用しよう
    • 3.4 複数のコマンドを組み合わせて実行する ——; && || & $( ) xargs
    • 3.5 シェルの設定 ——自分用の環境を整えよう
    • 3.6 zsh概論 ——zshのインストールと設定
    • 3.7 シェルとシェルスクリプト ——操作の自動化を実現するしくみ
  • 第4章 テキスト操作 ——Linuxの設定に必要な操作をマスターしよう
    • 4.1 ファイルを表示する ——必要な場所を簡単に表示する
    • 4.2 文字列の検索と正規表現 ——文字列を「パターン」で表す
    • 4.3 テキストを加工する ——ファイルを加工する/実行結果を整形する
    • 4.4 テキストエディタ「vi/vim」 ——コマンドラインで操作するテキストエディタ
  • 第5章 パッケージ管理 ——必要なモノを揃えるられるようにしよう
    • 5.1 パッケージ管理システム ——なぜ必要で,どのようなことをしているのか
    • 5.2 aptコマンド ——debパッケージを操作する(Ubuntu)
    • 5.3 dnf/yumコマンド ——rpmパッケージを操作する(CentOS)
    • 5.4 GitとGitHub ——開発中のソースやドキュメントを入手してみよう
  • 第6章 ユーザーとプロセス ——誰が何を実行しているかを意識しよう
    • 6.1 ユーザー管理の基礎知識 ——ユーザーIDとグループID,/etc/passwd
    • 6.2 ユーザーとグループの追加と削除 ——adduser/useradd/groupadd
    • 6.3 プロセス ——いま何が動いているのか調べてみよう
    • 6.4 ジョブコントロール ——バックグラウンドジョブとその切り替え方を理解しよう
    • 6.5 シグナル ——プロセスに「シグナル」を送ってみよう
    • 6.6 デバイスとファイルシステム ——デバイスと疑似ファイルシステムの操作を試そう
  • 第7章 ネットワーク概論 ——自分の状況を把握できるようになろう
    • 7.1 ネットワークの基礎知識 ——TCP/IPのイメージを掴もう
    • 7.2 ネットワーク用の基礎コマンド ——現在の状態を確認しよう
    • 7.3 SSH ——SSHサーバーのインストールとクライアントコマンドの使い方
  • Appendix コマンドラインで広がる世界 ——WordPress/Python/Raspberry Pi
    • A.1 WordPress ——PHP/MariaDB/ファイアウォール/WordPressの導入と設定
    • A.2 Python ——Python仮想環境の構築&グラフ描画のテスト
    • A.3 Raspberry Pi ——Raspberry Pi OSのインストールからSSH/VNC接続まで

書籍情報

  • 発売日: 2021/4/19
  • 仕様: A5・288ページ
  • ISBN-10: 4297120240
  • ISBN-13: 978-4-297-12024-5
  • 出版社: 技術評論社
  • 価格:2,680円+税
  • 電子版:あり

リナスクレビュー

https://linuc.spa-miz.com/wp-content/uploads/2020/09/meface.pngエスパくん
  • 2021年4月発売ということもありLinuxコマンド解説本としては基本を押さえつつ、Gitなど直近のトレンドについても解説してくださっています。単なるコマンドリファレンス本とは異なり、実際に手を動かすハンズオン主体のコマンド解説本になっています。全編にわたってとても平易なテキストなので、初学者でもとっつきやすいと思います。
  • ページ数はそれほど多いわけではないんですが、文字は小さめでページあたりの情報量も多いので読みがいはかなりあります。ときおり登場するコラム解説が秀逸で、初心者からステップアップさせてくれそうな内容が多く、経験者にとっても有益な情報が多く収録されています。
  • LinuCレベル1受験を考えていらっしゃる初学者の方にLinux入門書としても十分お勧めできる内容です。ただし、学習用環境の構築方法はあっさりとした解説にとどまっているので自力で用意する必要があります。
  • ちなみに、巻頭巻末に収録されているコマンドQuickリファレンスはpdf版が公開されています。

(余談)著者の西村さんは、これまでにMacOSのコマンド解説本「macOSxコマンド入門」を執筆されており、その経験を生かしてLinuxのコマンド解説本を執筆されたようです。ちなみに、「macOSxコマンド入門」は2020年5月に新版が発売されています。zsh解説本としての側面も持っているのでMacとLinuxを併用する人にとってはこちらも手元にあると何かと便利かもです。

ココが素晴らしい!
  • とにかく読みやすい
  • 単なるコマンド解説ではなく、手を動かして理解を深められる
ココが惜しい!
  • 紙面の大半がテキストとコマンドの実行結果で締められるので単調に感じられるかも
  • 学習用の環境についての解説はあっさり

この本のリナスク的評価
読みやすさ
(5.0)
内容の新しさ
(5.0)
初学者へのオススメ度
(5.0)
学習教材の内容
(3.0)
LinuC教材としての総合評価
(4.0)

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